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大阪肥後橋のTailor Armory

Tailor Armory

シャツの仕立て上がりのご紹介 Vol.2

皆様こんにちは。肥後橋の小さな仕立屋Tailor Armoryの森田です。

今日はカート・コバーンの命日ですね。特に今日Nirvanaを聴いて過ごしたというわけではなく、このブログを書き始めて何気なく日付を見て気づきました。

Nirvanaは大好きなバンドなんですが、1987年産まれの私には存在を認識した時にはもうなかったバンドでもあります。

好きなバンドの半数くらいはそうなんですけど(笑)

店頭でかけるにはちょっと激しいかなと思って自重していますが、アンプラグドのライヴ盤は時々かけています。

たまりませんね・・・。

この映像は特に、このすぐ後にカートが自殺していることもあって平常心では観ていられないんですが、

店主が店頭で平常心じゃないスーツ屋って私だったら嫌ですね。

さて、タイトルの通り、最近のシャツの仕立て上がりの中から2着をご紹介いたします。

世にも小さな音楽劇団よあけのばんのギターと歌、Nonsugar氏にお仕立てしたスタンドカラーのシャツ。

光沢のある生地に仄かに浮かび上がるようなペイズリー柄、襟の形もご本人の雰囲気に合っています。ライヴの衣装ということでオーダーいただきました。

よあけのばんの公演日程等情報はこちらから

よあけのばんOFFICIAL WEB SITE

YoutuberのKijin Factoryにお仕立てしたバンドカラーのシャツ。

タンクトップやカットソーの上にラフに羽織ったり、革ジャンの下に着るということでした。上質な生地を使用していますので、着心地もとても良いと思います。

このシャツのオーダー過程はkijin Factoryのyoutubeチャンネルからご覧いただけます。

Kijin Factoryチャンネル

さて、ここにご紹介した2着のシャツ、襟型は似ているようで違います。弊店でお選びいただける襟型の種類は50種類以上あり、お好みやTPO、体格、合わせる洋服のコーディネートによって最適なものをご提案いたします。

採寸についても同様です。スーツやジャケットが身体にあったものを身につけていても、シャツが既製品で身体にあっていなくては身だしなみは完成しません。特に、ジャケットを着ていても見える首元と手首のフィッティングは死活的に重要です。

採寸の際はほぼこの、ネックサイズと手首のサイズしか見ていないといっても過言ではありません(笑)

以前のブログ

シャツの仕上がりのご紹介

でも少し述べましたが、「ふだん着ているシャツで、ネクタイをしない(=ネックボタンを開ける)と襟が寝てしまうことが気になる」と言われることが時々あります。

「新版 男の服装術」(落合正勝著/PHP研究所)より画像拝借 これはシャツの襟型を図で表したものです。弊店のシャツはハンドメイドではありませんが、チープなシャツとしっかり仕立てられたシャツの比較参考としてご覧ください。

シャツ、スーツに限らず洋服は概ねそうですが身体のパーツごとにパターン(型紙)があり、生地はそれに沿って裁断されます。生地は四角形ですから直線で裁断した方が生地が無駄になりませんし、縫製の効率も上がります。

しかし当然のことながら人間の体は曲線です。直線的に裁断され縫い合わせられたシャツのネックは、ネックボタンを開けた時に首から離れ、寝てしまいやすくなります。

弊店のシャツのネックがどちらの形に近いかは、言わずもがなだと思います。

採寸においてはこの点を考慮しパターンの良さを最大限活かすよう、寸法を慎重に測ります。サイズ面で言うと、ネックが大きすぎてはネクタイを締めた時にシワが出てしまい美しくありませんし、小さすぎては苦しくなります。

また、手首についても同様です。

もしこのブログをご覧になっている方の中に、弊店で購入したシャツをお持ちの方がいましたら、手首の部分のパーツ(カフス)をご覧ください。

袖口のボタンを留めた状態でカフスは、先に向かって細くなる台形のような形になっているはずです。これも人体に沿ったもので、人間の腕は肘から手首に向かって細くなっているのでそれに合わせて裁断、縫い合わせられています。

かなり細かい、マニアックな話をしてしまいましたが、「神は細部に宿る」という言葉があるように、何気なく着ている洋服の中には縫製工場の蓄積されたデータに基づくパターン、それらを縫製するスタッフの方々の技術が息づいています。

その良さをきちんとお客様の体に合わせて再現できるよう、首元と手首の採寸には一番神経を使います。

私は正直なところ、税込み¥10,000ちょっとからご提供できるクオリティとしては十分すぎるほどでは?と思っています。

ぜひ弊店のオーダーシャツ、いちどご覧ください。