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大阪肥後橋のTailor Armory

Tailor Armory

Tailor Armoryの価格について

皆様こんにちは。肥後橋の小さな仕立屋Tailor Armoryの森田です。

プレオープン期間も含めると2か月近くが経ち、その間に友人や家族などのいわゆる身内からもご注文をいただいています。

非常にありがたいことです。

そしてこれはわざわざ誇らしげに書くこともないのですが、友達や家族だからといって一切の値引きはしていません。

さらには、その人たちの中にはオーダー風景や店内の写真、仕上がり品を着て撮ったりして自身のSNSやyoutubeで紹介してくれている人もいるのですが、これも何らの報酬も依頼もしていません。

私も人間ですので友人に対して、しかも宣伝もしてくれているのだからちょっとくらい安くしてあげようかな?と思わなくもないですが、大切な友人だからこそ、金額を下げることで貢献するのではなく良いものを仕立てることで貢献したいと思っています。

小売業をされたことのある方ならおわかりになると思いますが、同じ商品で定価で買って下さるお客様と値引きして買われるお客様がいたら、前者のお客様に対してよりロイヤルティを感じてしまいます。

そうして「まける」という言葉があるように、負けた分はどこかで勝って取り戻さねばならない中で値引きすることを織り込んで価格表記するようになってしまいます。

一律で実施するキャンペーンなどを別にしてプライスダウンを行なわないのもこうした理由からです。

(そもそも値引きするほどの利幅をとっていないというのもありますが)

ただ、ここまで読んでいただいて、弊店で購入したことのある方ならお気づきになるかもしれませんが、

そもそも弊店では見えるところに価格表記をしていません。(つまり値引きしていようがボッタくっていようがお客様にはわかりません)

そう、これが仕立てのお店の困ったところでお客様によっても価格が変わるので、表記がしづらいのです。今回のブログではこの価格について書こうと思います。(やっとここから本題です)

↑これは弊店のHPに記載している価格の一覧です。デザインの違いと仕立ての違いによる価格がこのようになっており、あとはお選びの生地の質により変わっていきます。

基本的な計算式としては縫製工賃+生地価格=販売上代となっています。工賃のベースはスタンダードかプレミアムかの仕立ての違いです。

スタンダード仕立てとプレミアム仕立てについては以前のブログ

仕立てのグレードと価格の違いについて

をご覧ください。

これは双方の仕立てのスーツが各サイズございますので、ジャケットを羽織っていただくのが一番わかりやすいと思います。

この計算式をベースに3ピースやダブルなどのデザインによって縫製工賃も変わり、またそれにより必要な生地の尺も増えるので生地価格も変わります。

参考までに有名どころの生地ブランドについてシングルスーツ価格で列記します。(2021年3月29日現在・ラインナップは時期によって変わります)

Vitale Barberis Canonico

¥55,000~(スタンダード)

¥82,500~(プレミアム)

Loro Piana

¥77,000~(スタンダード)

¥104,500~(プレミアム)

Ermenegildo Zegna

¥93,500~(スタンダード)

¥121,000~(プレミアム)

~で書いたのは、同じ生地ブランドでも織り方やウェイトなどによって様々あるからです。

生地はたくさんあります。ベースの色はネイビーなのか、グレイなのか。無地なのかストライプやチェックなのか。柄の大きさ、生地の厚みや素材などをバンチブック(生地見本帳)からお選びいただき、それにあわせてデザインを決めていきます。

この段階で、スタンダード仕立てかプレミアム仕立てかを決めてしまうとスムーズかもしれません。

デザインをシングルにするか、

ダブルにするか。

3ピースか。ちなみに私は生地を見てインスピレーションで「これはダブルにしよう、これは3ピースだな」と決めますが、一般的には「今回は3ピースが欲しい」と最初から決めている場合も多いように思います。

実はここまでの過程で、価格は決まっています。

あとはデザインです。2つボタンか3つボタンか、ポケットの形状なども決めるのですがそちらの詳細は割愛します。

生地に合わせて裏地やボタンも決めていただきます。

スーツをどこかで仕立てた経験のある方によく言われるのが、ボタンや裏地やデザインのディテールでいいものを選ぶと、このボタンはプラス¥3,000ですとかこの裏地はプラス¥2,000ですとなって気づいたら1万円くらい高くなってるんだよなぁということ。

オプションで単価上げて稼ぐようなことはしたくなかったので、ボタン・裏地もデザインのディテールも、最初からいいものにしています。

天然素材で滑りの良いキュプラ裏地、水牛ボタン、袖口の本開き仕様、内ポケットの台場仕様等々、基本価格の中に入っています。

基本価格からアップチャージなしです。

採寸に関しては今回のテーマではないので省きます。

いかがでしょうか。ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。

価格のイメージがつきづらいという方に少しでも助けになればいいのですが・・。

わかりやすく書こうと思って結局長くなってしまいました。

ここまでの過程と採寸、お会計も含めて1時間~1時間半程度と思ってください。

お急ぎの方にはスピーディーに対応させていただきます。最短15分でやったこともあります(笑)

逆にお時間に余裕ある方は、コーヒーを飲み音楽を聴きながらゆっくりしていってください。