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大阪肥後橋のTailor Armory

Tailor Armory

採寸について

皆様こんにちは。肥後橋の小さな仕立屋Tailor Armoryの森田です。

採寸ほど難しいものはないな、と最近改めて思います。

他の媒体でもよく書いていますが、私は2016年末に麻布テーラーを退職し、自身のテーラーをオープンさせるまでの4年間は別の仕事をしており、うち3年半はアパレルからも離れています。

弊店のオープン日の2/11は祝日でしたので、その日のみ妻も手伝いに来てくれていましたが、その際に妻に「メジャー持って採寸してるのとか、生地を触る手つきとか見てると4年のブランクがあるとは思われへんなぁ。」と言われました。

いや、元を知らんだろうとは思いましたが笑、それだけ堂々とやっているように見えたのでしょう。

実際のところ私自身も、数年のブランクがあっても、生地バンチブックを見たりメジャーを持つと割と自然にできた気がします。

21歳の時に私は紳士服業界に入ったのですが、最初の頃は毎日トルソーの胸廻り、腹廻り、尻廻りをメジャーで測っていました。そうして同じ場所で同じ寸法を測れるようになってから、マスターテーラーに採寸を教えてもらえるようになりました。

体の各部分を測る際にはメジャーを当てる位置、その向きや力、当てている時間なども気にします。胸廻りにメジャーを回してそのまま2,3秒見ると、その間の呼吸で2センチほどは動きます。お腹廻りに関しては、脂肪は筋肉と違い動くので、お腹の出ている人であれば油断した状態かそうでないかで4,5センチほど変わる場合もあります。

こうしたことを体系的に、数年かけて学んでいたことが知識として残っていたのでしょう。もしかすると感覚は鈍っていたのかもしれませんが、元々が私は理論立てて物事を考えるたちなので、感覚に頼らず基本に忠実に行なうことでまごつかずに採寸することができています。

ただ、こうしたメジャーリングができても、「採寸する」という工程の中ではスタートラインに立てたに過ぎません。体の各部分の寸法を測ることができても、お客様のお好みを把握する、もしくは引き出すカウンセリングができなければ、ご満足いただくことはできません。

例えばお客様のお腹周りを測って80センチだったとして(実寸といいます)、それに対してジャケットのお腹廻りの寸法をプラス12センチ(ゆとり寸といいます)の92センチにして仕立てるべきか、93センチにすべきか。お客様が「細身がいい。」と言っていたとしてもどのぐらいが細身かは人によって様々です。

「ゆったりめがいい」と言われたとしても、20~30代が考えるゆったりめと50~60代が考えるゆったりめもまた違います。

こうしたところで齟齬を生まないために、採寸に入る前に、また採寸しながらお客様のご職業や業種、想定される使用シーン、通勤スタイル、カバンや靴はどのようなものを持たれているかなど入念にカウンセリングします。

なぜなら、お仕事によって立っている時間が長いか、座っている時間が長いかによってもシルエットや選ぶべき生地は変わります。歩くことの多い外回りの営業職と、内勤の事務職でも違います。また、携帯電話や名刺ケースをジャケットのどのポケットにしまうかなどを採寸の際に考慮することもあります。

こうしたこと全て含めての「採寸する」なので、お客様がお帰りになった後に毎度、採寸伝票と生地、自分のメモ書きをにらめっこしながら悩んで完成させるのです。

採寸ほど難しいものはないな、と思いながら。

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※他のキャンペーンとの併用はできません。

是非この機会に、前向きにご検討ください。

メディア出演情報

【告知】「せやねん!」に出ます。(3回目)

注)私が出るわけでも弊店が映るわけでもありません(笑)

2021年4月17日(土)11時58分〜

MBS毎日放送「せやねん!」午後の部

『アキナのハッピー物々交換』

渋井不動産の店長"シュワちゃん"が弊店がお仕立てしたスーツを着て出ますので、皆様ぜひご覧ください!!