皆様こんにちは。肥後橋の小さな仕立屋Tailor Armoryの森田です。
6月に入り、気温もぐんぐん上がってきました。もう梅雨明けしたんでしょうか??
6月と言えばジューンブライドですが、最も結婚式が多いのは10月と11月だそうです。
(ブライダル業界が長かった私の母に聞きました。)
結婚式というと私は、この曲を思い浮かべます。
ありがたいことにご自身の婚礼用の衣装のご相談をいただくことがあります。
「せっかくオーダーするからその時以降も着れるように」「人の結婚式に招待された時にも着れるように」等々言われることがあるのですが、
一生に一度(であることが多い)究極の晴れ舞台である自身の結婚式で着るものと、他人の結婚式に着ていくものとが同じであっていいはずがありません。
「せっかくオーダーするからこそ」その時その場において最も映えるものをご提案いたします。
私は約7年前の自身の結婚式の際には2着仕立てました。
妻のウェディングドレスに合わせてディレクターズスーツを着て、お色直し後のカラードレスに合わせてブラックウォッチ柄のタキシードに着替えました。
新郎がお色直しするのかよというお声を頂戴しながら(笑)
本日のBlogではその2着のご紹介をいたします。
ディレクターズスーツは昼の準礼装とされており、その名の通り企業のディレクター(重役)の間で流行したスタイルが元になっています。
昼の正礼装はモーニングコートですがそれに準ずるものとして、結婚式の主賓や格式高い式典やセレモニーなどでの着用に適したものです。
黒のジャケットにシルバーグレイのベスト、コールパンツといわれる縦縞のパンツに、靴は黒の内羽根のストレートチップが基本です。
ポケットチーフはスリーピークスという、尖った先を三つ覗かせる挿し方が最もフォーマル向きです。
私のものは黒に見えますが、ミッドナイトブルーと呼ばれる限りなく黒に近い濃紺で仕立てています。
日本ではフォーマルや冠婚葬祭というとすべて黒でまかなえると考えられていますが、
欧米では黒は弔事の時、慶事では、人工の照明の下で黒より黒く見えることもあるミッドナイトブルーが正統とされているそうです。
ちなみに、このディレクターズスーツは結婚式以降ではこうした撮影を除けば、娘二人のお宮参りと弊店のオープン日で計三回着ました。
ディレクターズスーツお仕立て価格
¥88,000~(参考価格)
このブラックウォッチ柄のタキシードは、お色直し後の妻のカラードレスがグリーン系だったのでそれに合わせて仕立てました。
ブラックウォッチはタータンチェックの一種です。
タータンチェックは元来スコットランドの民族衣装に用いられてきたものであり、その色・柄の組み合わせにより名づけをされ、
日本でいう家紋のようなものとして氏族を表しているものです。
こと日本のブライダルにおいて「タキシード」は定義からかけ離れたデザインが横行していますが、
タキシードとは本来、ラペル(ジャケットの下衿)とポケットの縁、ボタン、パンツの側章に黒サテンをあしらったスーツのことです。
礼装としての正統なタキシードは黒かミッドナイトブルーですが、こうした色柄ものをファンシータキシードと呼び、少しカジュアルなパーティーや披露宴などで着用されます。
現代では昼夜を問わず着られる場面も見受けられますが、本来のルールではタキシードは夜の準礼装。招待状などのドレスコードに「ブラックタイ」と明記されている場合は、華美な装飾を控えたタキシードを正式に着こなさなくてはなりません。
シャツは白が基本。ウィングカラー、フライフロント(前立てでボタンを隠したデザイン)にし、首元には黒サテンのボウタイを。
ベストの代わりに腹に巻くカマーバンドは、襞は上向きです。これは、オペラ鑑賞の際にチケットやコインを入れたことに由来しています。
靴はオペラパンプスと呼ばれる、パテントレザーのものを合わせます。
このタキシードは結婚式以降こうした撮影を除けば一度も着ていません。
今回、シャツ、オペラパンプスともに数年ぶりに着用しました。
タキシードお仕立て価格
¥71,500~(参考価格)
フォーマルウェアは時と場合、着ていく場所や格式によって着こなしが規定される衣服です。
コーディネートや着こなしのルールについて、お悩みの際はお気軽にご相談ください。
これが最後の延長となることを願って…
新規客限定10%OFFも再々度(再々々?)延長いたします。
是非この機会に、前向きにご検討ください。