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大阪肥後橋のTailor Armory

Tailor Armory

ジャケット用の生地が入荷してまいりました

皆様こんにちは。肥後橋の小さな仕立屋Tailor Armoryの森田です。

昨日9/15夕方に2回目のワクチンを接種し、朦朧とする頭でこれを書いています。

さて、タイトルの通りジャケット用のバンチブック(生地見本帳)が入荷してまいりました。

まずはご覧ください。

スーツ用のバンチと違い、カシミア混などで起毛感のある、ぬくもりのある生地感やファンシーなチェック柄などが多く見ているだけでも楽しいですね。

110マークほどあり全ては紹介できないため、例によって私が見て気に入ったものをご紹介いたしました。

ところでなぜこうした生地をジャケット用とするのかと思いませんか?

確かにファンシーなチェック柄や起毛感のある素材を使った製品は、ジャケット単品で世の中に出回っていることが多いですが、こうした素材を使ってジャケットを仕立てるのかスーツ上下にするのか、はたまたパンツ単品にするのかは本来オーダーメイドなので自由なはずです。

こうした疑問に対し気になったことは調べ、また実際にやってみないと気が済まない性分の私は、いわゆる「ジャケット生地」でも何着かスーツ(3ピース含め)を仕立てています。

その上で結論から言うと、

パンツがダメになります。(細身にした場合特に)

それから、履き心地が良くないです(細身にした場合特に)

「物性」という言葉があり、これは簡単に言うと生地の耐久性を指しています。

スーツを日常的に着る方なら経験があるかもしれませんが、破れたり擦り切れたりしてダメになってしまうのは概ねパンツが先です。

ジャケットと違い一日の間で脱いでハンガーにかけたりしませんし、直接肌にも当たるので汗や皮脂の吸収も多いです。また立ったり座ったりする度に摩擦も受けます。

こうした着用による経年変化に対する耐久性が「物性」なのですが、「ジャケット用」とされる生地の多くはスーツ用の生地に比べ物性が強くない場合が多いのです。

またあまり伸びがないことも多いので、パンツとしては非常に動きづらいものになったりもします。

でも、ファッション大好きな御仁からすると、「うわ~こんなファンシーなチェック柄でスーツにしたらカッコいいだろうなぁ」とか思ってしまいますよね。(私だけでしょうか)

そんなご要望を受けた時に私がどうするかというと、まず細身のシルエットにしたい場合は

「もうこれすぐダメになると思って着てください。ダメになったらまた買ってください。」

と言うか(笑)、

パンツを太くするかです。

私自身でいうと、ジャケット生地でスーツを仕立てる場合は思い切って超ワイドパンツにしたりします。

もちろんお好みはあるかと思いますが・・。

私の駄文はさておき本題に戻ると、今回入荷した「ジャケット用」のバンチブックは英国製のものとイタリア製のものがコンパイルされ非常にバラエティ豊かです。

ぜひ店頭にてご覧ください。