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大阪肥後橋のTailor Armory

Tailor Armory

クラシックなスーツのデザイン

「いいスーツ」とは何か、を考え続けて10年以上になります。

「高級な生地で仕立てたスーツ」?

「身体にぴったりフィットしたスーツ」?

「耐久性のいい長持ちするスーツ」?

どれも正解だと思いますが、つまるところスーツが着る人があって初めて存在するものである以上、

どんなものであれ着ている人が「これはいいスーツだ」と思っていれば、それはいいスーツなのだと思います。

ただ、これで終わっては何が言いたいのかわからないので、私が見て「いいスーツだな」と思うデザインをいくつかご紹介させていただきます。

私は、というよりTailor Armoryはクラシックなスーツスタイルを標榜していますので、 これはクラシックなスーツのデザインの「黄金比」のようなもののご紹介でもあります。

ゴージラインがシャツの襟の真ん中あたりから出ている。


ゴージラインとは、ジャケットのラペル(襟)の、上襟と下襟の切り替えのラインのことをいいます。このラインが上にありすぎても下にありすぎてもいけませんし、シャツの襟の開きの角度とのバランスも大事です。

胸ポケットの4分の1程度を覆うラペルの幅


ラペルの幅が細く胸ポケットの位置と離れてしまうと、ポケットのみが浮き立ってみえてしまいます。

一番下のボタンの位置が両サイドのポケットの上端の延長線上に等しい


最もエレガントに見える位置だと思います。

ジャケットの袖口からシャツの袖が1.5cmほど覗いている。


シャツの袖が見えすぎるとジャケットの袖が短いように見えますし、反対にシャツが全く覗かないと、ジャケットの袖が長いように見えます。

この他にもクラシックなスーツを構成する要素は数限りなくあり、それらを網羅すると一冊の分厚い事典のようになります。私も、そのうちのごく一部しか知ることはできていないと思います。

ただ、これらはあくまで一つの判断基準であり、この基準に当てはまっていないからといって、それがいいスーツではないのかというと決してそんなことはありません。

大切なのは、着ている人の全体像やそのバランスであることは言うまでもありません。

蛇足ながら私が、これらのバランスを踏まえた上でお身体にしっかり沿わせて仕立てられていると感じるのは、上皇さまのお召し物です。

天皇ご在位の頃から、お写真を拝見するたびに非常に綺麗な仕立てのスーツをお召しになっていると感じていました。

おそらく日本最高峰の職人がお仕立てになっているのだと拝察しますが、私も、その足元にも及ばないなりに頑張ってお客様に「いいスーツ」をご提供していきたいと思います。